プレスリリースを書くときのポイント ―伝える技術(番外編)

今回の「伝える技術」は番外編として、「プレスリリースを書くためのポイント」を取り上げます。有難いことに、メディカルではない一般商材のリリースを書く機会をいただいたので、そのためにお勉強した内容をまとめました。

とにかくタイトルが命!

プレスリリースはメディアで取り上げられることを目的とした文書です。日々大量に届くリリースの中から、記者の目を ( ,,`・ω・´)んん?と引き付けるには、いかに魅力的なタイトルにできるかどうかが勝負です!

プレスリリースの第一人者である井上岳久氏は、記者のココロをくすぐる要素として下記の6つを挙げています。

①特異性:今までにない、あっと驚く
②人間性:人間味がある、感情に訴える
③大衆性:多くの人が関心をもつ
④社会性:広範囲or時代的に意義がある
⑤影響性:社会に影響を与える、問題を解決する
⑥地域性:身近な情報である

井上岳久. 実践!プレスリリース道場[完全版](月刊 広報会議)

リリースする内容の中から、これらの要素をもつ情報を抜き出してタイトルを付けると、メディアに取り上げられる可能性が高まりそうです。特に「数字」をうまく使うとインパクトのあるタイトルになります。短い字数でいかに豊かな表現を作れるか、まさにコピーライティングの技量が試されますね。

このリリースで記事が書ける?

もしタイトルがうまく書けて、記者がリリースに興味を持ってくれたとしても、中身を読んで記事を書く気になってくれなければ目的は達成できません。

5W1Hを整理して書く

リリースの情報に不足があると、発表元に問い合わせる手間が発生します。そこまでしても取り上げたいリリース内容であればともかく、多くの場合はそこまでのニュース価値はありません、よね…(^^;) 情報不足が原因で「面倒だから記事にするのは止めた」と思わせてしまったら残念です。

  • だれが
  • 何を
  • いつ
  • どこで
  • なぜ
  • どうやって

これは、かの有名な「5W1H」です。これらを整理してリリースに入れ込んでおけば、あとは必要な部分を抜き出すだけですぐに記事にできます。初歩的なことですが、絶対に外せないポイントです!

【追記】 5W1Hでは足りない、5W5Hで考えよ

リリースについてもっと勉強を進めたところ、5W1Hでは情報が足りなかったみたいです。1つのHじゃなくて5のH。追記しておきます。

  • HOW MUCH(値段)
  • HOW MANY(量)
  • HOW LONG(期間)
  • HOW in FUTURE(今後の方針や戦略)

1テーマ限定、要点を3本柱でまとめる

リリースを出すという行為は、その会社の中では何人もの社員が知恵を振り絞って企画し、試行錯誤を繰り返して実現し、万感の想いを込めて世の中に発表するということです。それはもう、自慢や苦労話が山のようにあって当然ですよね。

しかし、1回のリリースで出す情報は1テーマに限るべきです。テーマが複数あるとメッセージが伝わりにくくなりますし、どの要素を優先して記事にすべきか迷ってしまうからです。

さらに、その1テーマを説明する要素は、最大で3つまでに絞り込んだ方がいいです。なぜならば、記者はごく短い時間でリリース内容を咀嚼する必要があるから。あれもこれも、全部知ってほしいというのは無理な話です。数多くの情報の中で「これだけは!」というものを的確につまみ、読み手が理解しやすいよう戦略的に配置しましょう。

専門用語を使わない

すべての領域に詳しい記者(というか人間)はいません。 リリース内で技術的な小難しい話をしなければいけないときは、専門用語を使わずに、いかに分かりやすく書くかがライティングの腕の見せ所です。

よくある落とし穴としては、書く側の専門性が高いが故に「専門用語だと認識していない」ケースや、社内だけしか伝わらない「ローカル用語を使ってしまう」ケースがありそうです。リリースを書き終わったら、いったん意識をそこから離して、改めて一般人の気持ちになって読み返してみましょう。

公的文書だけど…想いとサービス精神を込めて!

冒頭で引用させていただいた井上氏が著書に書いていたことで、最も大切だなと思ったことを最後に紹介します。それは「気持ちを込めて一生懸命に書く」ことです。

プレスリリースは会社が公的に出す文書ですから、お行儀よくして、感情を出してはならない、と考える人は少なくないと思います。会社のイメージ上、硬い表現を使わなくてはいけない場合であっても、その行間に気持ちを込めることは可能です。うまく言葉を選べば、トーン&マナーの範囲内で熱い想いを込めることだってできるはずです。もし許されるなら、読んでいてクスっと笑えるネタを仕込んでおくのも一手です。

リリースを書くのも発表するのも人間です。それを受け取る記者もまた、まごうことなき人間です。ワクワクして発表し、ウキウキして読める――そんなプレスリリースが書けるようになりたいなぁ…と思います。頑張ります!

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